
京都・西陣にある国登録有形文化財 藤田家住宅で12月13日(土)、14日(日)「千本桜展2025 Quarter Moon −上弦の月」が開催される。この第二場の企画・制作協力をクリーク・アンド・リバー社が行う。クリーク・アンド・リバー社は、プロフェッショナルの叡智を活かした地域の活性化・地方創生につなげる取り組みを積極的に進めており、今回のイベントの企画・制作協力もその一環となる。
初音ミクを主人公とする音楽作品『千本桜』
『千本桜』は、初音ミクを主人公とする音楽作品でありながら、そこには時代、風景、祈り、そして戦いの記憶が濃密に織り込まれている。小説版『小説 千本桜』では、音楽の背後にある物語構造が深められ、登場人物たちは記号から個へと、そして過去の情景は幻想から現実へとシフトしていく。
「千本桜展2025」では、その小説世界にインスパイアされ、楽曲・物語・ビジュアルが描き出す架空の歴史風景を現実空間に“実装”するアート展示シリーズだ。物語を読むように、楽曲を聴くように、風景を体感する場が創出される。京都・西陣で開催される第二場は、物語完結後の情景「追想」をテーマに、“桜”と“月”と“雨”が織りなす新たな物語。物語を読むように、楽曲を聴くように、唯一無二の風景が体感できる。 テーマ楽曲は、黒うさPが手がけた日本を代表するボーカロイド楽曲「『千本桜』と、そのアンサーソング「上弦の月」だ。

当地コラボもある千本桜の新作公式グッズ。一部の商品は東京での販売はない

第一場「飛雨」は、11月22日(土)~24日(月・祝)に東京で開催。この度、第二場「追想」が京都・西陣にて開催される。
会場は国登録有形文化財の藤田家住宅
京都会場となる藤田家住宅は、帯屋として栄えた商家の旧邸であり、西陣織の歴史と美意識を今に伝える貴重な文化遺産だ。主屋をはじめ土蔵や中庭などが良好に保存され、当時の町家建築の特徴をよく残している。室内には帯の意匠資料や商いに使われた道具類も伝わり、西陣の職人文化や暮らしの息づかいを感じることができる。近代京都の商業と工芸の融合を象徴する建物だ。
バーチャル・シンガー、初音ミク


「初音ミク」はクリプトン・フューチャー・メディアが開発した、歌詞とメロディーを入力して誰でも歌を歌わせることができる「ソフトウェア」だ。大勢のクリエイターが初音ミクで音楽を作り、インターネット上に投稿したことで一躍ムーブメントとなった。キャラクターとしても注目を集め、今ではバーチャル・シンガーとしてグッズ展開やライブを行うなど多方面で活躍するようになり、人気は世界中に拡がっている。
初音ミクが歌う『千本桜』
初音ミクが歌う『千本桜』は、2011年9月にニコニコ動画に投稿された黒うさPの代表曲だ。レトロな雰囲気が溢れる世界観、一度聴くだけで歌い出したくなるメロディ、そしてこの世界を細部まで描いたイラストを使った動画で、たちまち人気楽曲となった。歌ってみた、踊ってみた、演奏してみた、描いてみたなど、二次創作も盛んに行われ、自治体や企業とのコラボも展開された。有名アーティストたちによるカバーも多数。2015年の紅白歌合戦では小林幸子が、そのほかadoや和楽器バンドなど多くのアーティストが同曲をカバーしている。
近年では国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」初の授賞式にて、最優秀ボーカロイドカルチャー楽曲賞を受賞。イラストを手がけた一斗まる氏が2013年から執筆した『小説 千本桜』シリーズは、累計35万部を超えるヒット作品となり、『小説 千本桜』の世界観をもとにしたコミック、ミュージカル、歌舞伎へと創作の輪が広がり、一楽曲の枠を越え広く愛される作品となっている。

「千本桜展2025 Quarter Moon −上弦の月」第二場をチェックしてみては。
■「千本桜展2025 Quarter Moon −上弦の月」第二場
開催日時:12月13日(土)・14日(日)
開催地:京都・西陣 藤田家住宅
所在地:京都府京都市上京区堀川通上立売下る西入山名町811
入場料:3,000円(税込)(藤田家住宅の見学料が含まれる。また、1時間ごとに文化財についての解説ツアーがある)
公式HP:https://www.senbonzakura2025-event-kyoto.com
予約URL:https://senbonzakura-kyoto.peatix.com
藤田家住宅 公式HP:https://www.kyoto-fujita.jp
Art by 三可九丸 © WhiteFlame/一斗まる
© Crypton Future Media,INC.
(熊田明日良)